カツオノエボシの学名・分布・時期

 「気泡体」と呼ばれる浮袋の見た目が烏帽子(えぼし)に似ており、カツオが到来する時期に海流に乗ってやってくるということからこの名が付けられました。恐らく、我々の身近にいるクラゲの中では最も毒性の強い種類になります。「電気クラゲ」と言う方が馴染み深いかもしれません。これは彼らに刺された時の痛みを電気の衝撃に例えた、なんとも恐ろしい別名です。
 よく勘違いされがちなのですが、このカツオノエボシは「個体」ではなく「群体」です。小さなヒドロ虫が無数に集まり、それぞれが繁殖や捕食などの役割を担っています。これは彼らの属する管クラゲ目や花クラゲ目に見受けられます。飼育も比較的難しく、水槽に入れてもすぐにバラバラになってしまうことが多いようです。
 このカツオノエボシは「気泡体」という浮袋に、自らが作り出した一酸化炭素を溜め海面を漂います。こうすることで他のクラゲに比べ比較的早い速度で移動することが可能になりました。しかし、完全に風任せなため、どこにいくかは運次第。砂浜に打ち上げられてしまうこともよくあります。似たような生態を持つクラゲとしては、キチン質の帆を持つカツオノカンムリや円盤型の浮きを持つギンカクラゲなどが有名です。
 


ヒドロ虫綱/管クラゲ目/カツオノエボシ科



●カツオノエボシとは


【学名】

Physalia physalis

【分布】

関東以南

【時期】


【傘長】

約10cm

【飼育水温】

25℃


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カミクラゲの学名・分布・時期

 無数にある髪の毛のような触手をなびかせて泳ぐことから、この名が付きました。また、カミクラゲの出現時期が立春頃からであるため、「春の訪れを告げるクラゲ」とも呼ばれています。触手の根元にある赤い眼点や、コイルのような形状の生殖腺など、その姿はクラゲの中でも群を抜いて神秘的。毎年この時期になるとこのカミクラゲを展示し始める水族館も多く見受けられます。
 しかしこのカミクラゲ、謎の多いクラゲとしても有名です。春以外はどこにいるのか、どうやって繁殖しているのか、ポリプ世代はあるのか...これが解明されれば、日本中の水族館で通年展示が可能になるでしょう。しかし、そんな謎満ちた生態こそ、彼らカミクラゲの魅力でもあるのではないでしょうかね。

カミクラゲ

ヒドロ虫綱/花クラゲ目/キタカミクラゲ科



●カミクラゲとは


【学名】

Spirocodon saltator

【分布】

本州

【時期】

2月~5月

【傘高】

約8cm

【飼育水温】

15~20℃


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エダアシクラゲの学名・分布・時期

 その名の通り、触手が枝分かれになっているのが特徴のクラゲです。普段は泳がず、もっぱら海藻などにくっついていることが多いですが、時折泳ぐ姿も確認することができます。その泳ぎ方もまた非常に個性的で、ポンポンとバウンドするように泳ぎます。非常に可愛くて個人的にも好きなクラゲ。ただサイズが小さすぎるというのが難点でしょうか。よく見ないと見つけることが出来ません。
 そんな彼らですが、水槽内に勝手に発生することがあります。恐らくこれは海から採集してきた海水や海藻、岩などに混ざってくるものかと思われます。以前に、海で採集してきたタコクラゲを入れていた水槽でポリプが大量発生する事件が起きました。「タコクラゲのポリプ!?」と喜んでいたのもつかの間、増える増えるわエダアシクラゲ。複雑な気持ちになりました。
 クラゲ同士の混泳は、基本的に危険です。というのも、種類によってその刺胞毒の強さが違うからです。小さなエダアシクラゲとて立派な刺胞動物のクラゲ、触手の先端に刺胞の塊を持っています。クラゲを飼育する際は、別種のクラゲが混入してしまわないようくれぐれもお気を付けください。

エダアシクラゲ

ヒドロ虫綱/花クラゲ目/エダアシクラゲ科



●エダアシクラゲとは


【学名】

Cladonema pacifica

【分布】

北海道~南西諸島

【時期】

初夏~秋

【傘高】

約5mm

【飼育水温】

室温


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チョウクラゲの学名・分布・時期

 蝶のように羽ばたきながら泳ぐ姿からこの名前が付けられました。有櫛動物はその見た目や泳ぎ方が多種多様なため、見ていて全く飽きませんね。
 彼ら有櫛動物はミズクラゲアカクラゲなどが属する刺胞動物と違い、雌雄同体です。つまり、一個体だけで繁殖することができます。おまけにポリプ世代がないため、生涯浮遊生活。餌に関しては、同じ有櫛動物門の中でもウリクラゲなどの属する無触手綱のクラゲはクラゲ食のため、餌の確保は難しくなってしまいます。しかし、このチョウクラゲやカブトクラゲなどの属する有触手綱、彼らは小型のプランクトンなどを捕食するため、一般的な刺胞動物門のクラゲと同様に飼育することができます。
 ここまで聞くと、「クシクラゲ類の飼育や繁殖は容易?」と感じてしまいますが、実際に飼育をしてみるとそうでもありません。割と長期飼育の難しいクラゲに思います
 しかし時期によっては海面に大量に発生することがあるため、その採集は簡単です。一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?



有櫛動物門/有触手綱/カブトクラゲ目/チョウクラゲ科



●チョウクラゲとは


【学名】

Ocyropsis maculata

【分布】

三陸南部以南

【時期】

春~秋

【傘径】

約10cm

【飼育水温】

20℃


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カラカサクラゲの学名・分布・時期

 口柄支持柄の部分が傘中央から垂れ下がっており、その姿形が雨の日などに使われる「傘」にそっくりなためこの名が付けられました。口柄先端が緑色でとても綺麗。個人的にも好きなクラゲのひとつです。
 ヒドロ虫綱の中でも花クラゲ目、軟クラゲ目、淡水クラゲ目はポリプ世代とクラゲ世代を繰り返す「世代交代」を行ないます。しかし、この硬クラゲ目に属するクラゲの仲間や剛クラゲ目に関してはポリプ世代を持たずクラゲ世代のみ。生涯浮遊生活を送っているわけです。彼らの仲間は、ある時期になると急に大量発生するのですが...彼らがどうやって時期を合わせ発生するのか、実は今でもよくわかっていません。

写真)ウィキペディアより
カラカサクラゲ②

ヒドロ虫綱/硬クラゲ目/オオカラカサクラゲ科



●カラカサクラゲとは


【学名】

Liriope tetraphylla

【分布】

東北南部以南

【時期】

秋~冬

【傘径】

約2cm

【飼育水温】

10~20℃


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ウリクラゲの学名・分布・時期

 世界中の海に生息するクシクラゲの代表種ともいえるクラゲです。その名の通り、瓜(うり)のような姿形をしています。体には8本の櫛板(くしいた)があり、そこにある無数の繊毛を細かく動かして移動しています。この櫛板が光って見えるのは彼らが発光しているわけではなく、ただ単に繊毛が光を反射しているだけです。
 クラゲは大きく、「毒(刺胞)を持つ刺胞動物」と、「刺胞は無いけれど櫛板を持っている有櫛動物」の二つに分けることが出来ます。そしてさらにこの有櫛動物は、触手を持つ「有触手綱」と、触手を持たない「無触手綱」に分かれます。
 有触手綱のクシクラゲの代表種にはカブトクラゲチョウクラゲなどが挙げられます。彼らはその触手にある膠胞(こうぼう)と呼ばれる粘着性の細胞で獲物となるプランクトンなどを捕食しています。一方の無触手綱には触手がありません。では一体何をどうやって食べているのでしょうか...。実は彼ら、他のクシクラゲ類を丸呑みにするクラゲ食のクラゲなのです。有触手綱のクラゲ同様水族館では定番の人気種「ウリクラゲ」。しかし彼ら、その餌となるクシクラゲ類の確保が難しいことなどから長期飼育はやや困難だと言われています。



有櫛動物門/無触手綱/ウリクラゲ目/ウリクラゲ科



●ウリクラゲとは


【学名】

Beroe cucumis

【分布】

関東以南

【時期】

夏~秋

【体長】

約10cm

【飼育水温】

15~25℃


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オビクラゲの学名・分布・時期

 名前の通り、帯のような容姿をしているかなり特徴的なクラゲです。テレビなどで目にした方もいらっしゃるかもしれません。彼らはミズクラゲなどが属する「刺胞動物」の仲間ではなく、「有櫛動物」というくくりの仲間になります。そのため、毒はもちません。体長は約40cm程としましたが、最高で長さ1.5mに達することもあるとかないとか。ただそれでも有櫛動物の中では最大(長?)級の種類です。ちなみに英名は「Venus's girdle(ヴィーナスの帯)」
 獲物を捕食する時は口側の方向に水平に進みますが、逃げる際には体を蛇のようにくねらせながら素早く泳ぎます。世界中の熱帯・亜熱帯海域に分布しています。



有櫛動物門/有触手綱/オビクラゲ目/オビクラゲ科



●オビクラゲとは


【学名】

Cestum veneris

【分布】

三陸沿岸南部以南

【時期】


【体長】

約40cm

【飼育水温】

20℃


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カブトクラゲの学名・分布・時期

 クシクラゲ類の代表種とも言えるクラゲです。袖状突起が開いた時の姿形が兜(かぶと)に似ていることから、この名が付けられました。彼らはミズクラゲなどが属する「刺胞動物(しほうどうぶつ)」ではないので、刺胞(毒張針と糸の詰まった袋)は持っていません。つまりクラゲという名前こそ付いていますが毒は持たないのです。なのでもちろん人間に対しては全くの無害。触っても大丈夫です。
 「刺胞動物」に属さないこのクラゲは、「有櫛動物(ゆうしつどうぶつ)」というものにあたります。彼らは他のクラゲ(刺胞動物門)が持つ刺胞の代わりに、粘着性のある膠胞(こうぼう)という細胞を触手に備えており、これ器用に使って小型プランクトンなどを捕食しています。カブトクラゲは縁がキラキラと発光しているように見えますが、それは彼らが持つ櫛板(くしいた)に無数ある繊毛が光を反射しているだけであり、オワンクラゲのように自ら発光している訳ではありません。有櫛動物の仲間達はこの繊毛を使い、水中を器用に泳ぎ回っています。
 この有櫛動物門にはカブトクラゲ以外にも、ウリクラゲチョウクラゲなどの有名所が多く属しています。水族館などでも見かける機会の多いクラゲではないでしょうか?



有櫛動物門/有触手綱/カブトクラゲ目/カブトクラゲ科



●カブトクラゲとは


【学名】

Bolinopsis mikado

【分布】

日本各地の沿岸

【時期】

一年中

【体長】

約10cm

【飼育水温】

20~25℃


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オワンクラゲの学名・分布・時期

 2008年ノーベル化学賞を受賞した下村博士研が研究材料として用いたクラゲとして一躍有名になりましたね。オワンクラゲは刺激を感じ取ると青白い光を発します。これは彼らが緑色蛍光タンパク質(GFP)発光タンパク質(イクオリン)を持っているからであり、それをいち早く発見・開発した人物こそ下村博士なんですね。
 この緑色蛍光タンパク質であるGFPは後に、医療の現場で活躍することとなりました。異常な細胞や病原体に印を付け、その増殖の過程などを目視で追跡することが出来る、まさに「魔法のマーカー」となったのです。おまけにこのGFP、生物に対し害は無いとされています。そのため実験中も、実験対象となった動物を殺したり解剖したりせずに済んだそうですよ。ただ、そもそもなぜこのオワンクラゲは発光する必要があったのでしょうか?実は、その理由はまだよくわかっていないのです。
 ちなみに、オワンクラゲはクラゲ食のクラゲです。普段口は閉じていますが、獲物となるクラゲを捕食する時は胃の部分を全て開き、丸呑みにしてしまいます。



ヒドロ虫綱/軟クラゲ目/オワンクラゲ科



●オワンクラゲとは


【学名】

Aequorea coerulescens

【分布】

日本各地

【時期】

春~夏

【傘径】

約15cm

【飼育水温】

10~20℃


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カツオノカムリの学名・分布・時期

 このクラゲの下によくカツオが群がることから、「カツオノカンムリ」という名が付けられました。彼らは他のクラゲとは違い、自力で移動することは不可能です。その代わり、キチン質でできた帆を水面に出し、風の力を利用して移動しています。ちなみに、このような「風力を使った移動手段」をもつものは彼らだけではありません。同じギンカクラゲ科の「ギンカクラゲ」は円盤型の浮きを使い、カツオノエボシ科カツオノエボシは、一酸化炭素の詰まった浮袋を使います。彼らは風力を利用することで、かなり速い速度で移動することが可能になりました。しかしその反面、完全に風任せなためよく海岸に打ち上げられてしまいます。そこまでして早い移動速度を求める必要はあったのでしょうか...?
 この「カツオノカンムリ」は一つの生物ではなく、複数の個体が集まってできた群体です。生殖をつかさどる個体や餌を獲る個体など、それぞれに役割があります。こうした特徴は管クラゲ目のクラゲにもあります



ヒドロ虫綱/花クラゲ目/ギンカクラゲ科



●カツオノカンムリとは


【学名】

Velella velella

【分布】

本州太平洋岸及び暖流の影響する日本海側

【時期】

夏~秋

【傘径】

約8cm

【飼育水温】

23~25℃


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