先日、Jelly fish farm ARCADIAの主力商品
「ミズクラゲ」が一晩にして大量死するという事件が起こりました...何故!?今まで順調に成長していた個体の約三分の一にあたる数がたった一晩で...。
死亡したのは円柱容器で飼育をしていた個体ではなく、新しく立ち上げたクラゲ専用水槽「
PICO(ピコ)」に投入した個体です。
過去にもこの水槽を使ったことはありましたが、今回のようなことは初めてです。商品の欠陥などではありませんね...。
栄養不足や不適切な水流が原因だとしても、こんな急に大量死するはずはありません。となると疑わしいのは...
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酸欠(体表から呼吸するため、弱すぎる水流も危険)
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水質悪化
濾過システムの構造や水流の関係上、酸欠はまずありえません...ということは水質か!?しかしこの数日前に「亜硝酸」のテストをしたばかり。おまけに適正値でした。では、「アンモニア」が出ているということは...?早速チェック!
はい、完全にアンモニアでした。ものすごい数値ですね。しかしこれで納得。
バクテリアがアンモニアを分解した結果生じる物質が「亜硝酸」です。しかし今回の水質検査で出たのは亜硝酸ではなく「アンモニア」。亜硝酸よりも毒性の強い物質です。このことはつまり、「
亜硝酸が出ないのは、そもそもそれ以前にアンモニアを分解できていなかったから(バクテリアがいなかった)」ということ。まさしく水槽立ち上げ初期に起こるミスです。濾材にバクテリアがついていなかった...。ごめんよクラゲ達...油断していたばっかりに。
いかがでしたでしょうか?水質維持がいかに大事であるかわかってもらえましたか?私は今回身をもって感じました...。しかしこれもいい経験です。同じ失敗を繰り返さなければそれでよしとしましょう。今回は水槽立ち上げすぐで良く起こる失敗でしたが、水質検査はやはり定期的に行った方がいいですね。
残餌やフンが原因で「アンモニア」が発生し、それを過槽内の濾材に活着した好気性バクテリアが「亜硝酸」に分解。そしてこの「亜硝酸」は最終的に、さらに毒性の低い「硝酸塩」へと分解されます。ここで注意して頂きたいのは、「いくら長期間安定している水槽であったとしても、水換えをしなければこの硝酸塩は減らない」ということです。そしてこの硝酸塩や亜硝酸、アンモニア等の有害物質がどれだけ蓄積しているかが調べられる商品こそ、この「水質検査薬」なのです。みなさん、水質検査は大事ですよ?それでは、カシオでした。