【クラゲ豆知識①】夏以外はどこにいるの?秋や冬に見られるクラゲって?

 「クラゲ=夏」というイメージ強いかと思いますが、もちろんそれ以外の季節にも、海にはちゃんとクラゲがいます。そこで今回は、「夏によく見たクラゲ達はどこいいったの?」、「何故お盆過ぎに海に入ってはいけないの?」、「秋や冬など、寒い季節の海で見られるクラゲっているの?」などについて詳しく解説していきます。
 そしてこれは私カシオの持論なのですが、クラゲ飼育は寒い時期がおすすめです。その理由は記事後半にて記述しますのでお見逃しなく。

クラゲ豆知識①サムネ

寒い季節、クラゲは一体どこへ...?





●夏によく見たクラゲ達はどこにいったの?


【形は違えど、クラゲは年中海に】

 クラゲの季節と言えばやはりですね。毒々しい色をした「アカクラゲ」や、海岸に大量に打ち寄せる「ミズクラゲ」などは、もはや夏の風物詩の一つでしょう。しかし季節が秋に移り変わる頃になると、今までが嘘のようにパッと消え去ってしまいます。彼らは一体どこに行ってしまったのでしょう?

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ミズクラゲ編Part4(大量発生による被害と、クラゲの有効活用)


 では、一番メジャーな「ミズクラゲ」を例に挙げてご説明します。以下は、月ごとの「ミズクラゲの形態」を簡潔に表したものです。



5~8月
成熟した個体が出現。有性生殖をする。
8~11月
海底の岩などに付着したプラヌラがポリプとなり、成長する。
11~12月
成長したポリプは、海水温低下の刺激を受け変態し、エフィラとなる。


※この時までに、親は寿命を迎える。


12~5月
成長したエフィラは次第にクラゲとなり、5月頃に成熟する。



 そう、クラゲはその一生のほとんどが、我々の思う「クラゲ」の形をしていないのです。あれだけいたクラゲが一気に引いた海はどことなく寂しいですが、目に見えなくとも、海底で新たな世代として確かに息をしています。その証拠に、12~1月には海で「エフィラ」を観察することが出来ます。かなり小さいですが、是非一度探してみてはいかがですか?


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ミズクラゲ編Part 1(その魅力と生活史)
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↑活着したポリプから発生したエフィラ





●何故お盆過ぎに海に入ってはいけないの?


【夏に発生するあのクラゲが一番の原因】

 昔からよく、「お盆過ぎにはクラゲが出るから海に入るな」と言われてきましたが、その原因は大抵「アンドンクラゲ」というクラゲの出現に関係します。7月末ぐらいから大量に発生し始めるこのアンドンクラゲは、その強力な毒性から海水浴場などで人々に多大な被害をもたらしてきました。そしてこのアンドンクラゲ出現の一番ピークが、ちょうどお盆にあたる時期になるのです。アンドンクラゲに刺されると、体に電気が走ったような痛みを受けることから、別名「電気クラゲ」とも言われています。



 個人的には、アンドンクラゲは本当にクラゲと言ってよいものなのか疑問に感じます。というのも、クラゲ(プランクトン)の定義の一つに「遊泳能力を持たない生物」というのがあるのですが...こちらの動画を見てわかる通り、アンドンクラゲはがっつりと泳いでいます。そもそもあのクラゲ独特の動き(パルセーション)は、他の生物で言う「心臓」の役割が主であり、泳ぐためのものではありません。ですがこのアンドンクラゲは他のクラゲに比べ非常に悠長に泳いでいます。しかも眼点がかなり発達しているため、時折人から逃げるような仕草も見受けられます。
 なかなか愛くるしいクラゲではないでしょうか...刺されても許してしまいそうです。痛いでしょうが。


●寒い季節に見られるクラゲっているの?


【秋や冬など、海水温の低下した海にもクラゲはたくさん】

 それではここから、「夏以外の季節」でも見ることの出来るクラゲをいくつかご紹介していきます。


↑水族館でもお馴染みのクラゲ

【ギヤマンクラゲ】 ヒドロ虫綱/軟クラゲ目/マツバクラゲ科
学名:Tima formosa
分布:関東以北
傘径:約5cm
時期:冬~春
 名前にある「ギヤマン」とは、オランダ語で「カットグラス」を意味しています。確かに、美しいガラス細工のような容姿をしていますね。また、クラゲの中でも比較的飼育しやすい種であるということも大きな魅力で、周年展示している水族館も少なくはありません。






↑春の訪れを告げるカミクラゲ

【カミクラゲ】 ヒドロ虫綱/花クラゲ目/キタカミクラゲ科
学名:Spirocodon saltator
分布:本州
傘径:約8cm
時期:2~5月
 日本特産種。髪の毛のようになびく触手の様子から、この和名が付きました。海水温の上昇してくる2月頃から出現してくるため、「春の訪れを告げるクラゲ」として長年親しまれてきました。触手根元に見える赤い眼点や、透けた体内に見えるコイル状の生殖腺が神秘的で、非常に魅力的なクラゲです。しかしその生態には謎が多く、現在でも人工繁殖は成功していないため、水族館では基本的に「季節物」として展示されています。






↑「クラゲ」ではなく「有櫛動物」

【カブトクラゲ】 有櫛動物門/有触手綱/カブトクラゲ目/カブトクラゲ科
学名:Bolinopsis mikado
分布:日本各地の沿岸
傘径:約10cm
時期:一年中
 短いライフサイクルで繁殖を繰り返しているため、年間を通して日本中で見ることが出来ます。名前にこそ「クラゲ」と付いていますが、刺胞を持っていないため、正確には「有櫛動物」という生物になります。また、彼らの体の縁は光って見えますが、これは櫛板に当たった光が反射しているためで、別に発光している訳ではありません。




●クラゲ飼育は冬がおすすめ!?


【室温の下がる冬場はクラゲ飼育にいいこと尽くし!】

 これはあくまで私カシオの持論ですが...クラゲの飼育は冬場が一番オススメです!その理由としては、以下の事が挙げられます。

  • 水温低下→クラゲの代謝も低下。
  • クラゲの代謝低下→餌の回数や量が少なくて済む。
  • 給餌量減→水が汚れにくくなり、頻繁に水替えをせずに済む。



 クラゲを飼育する上で、水質維持はとても重要です。このことからも、冬場のクラゲ飼育はかなりのおすすめなのです。もちろんそれ以外の季節でも、水槽用クーラーなどを使用し水温を下げることで、同様の効果が期待できます。  ちなみに、一般的なショップでは夏季以外クラゲをあまり扱っていません。そのためにも、一刻も早く「安定したクラゲの生産」をARCADIAは目標として掲げています。皆様しばしお待ちを!!



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