【ミズクラゲの成長低迷】何故?長期飼育のポリプが原因か

 最近、発生したミズクラゲ(エフィラ)の成長(食欲)が低迷し、突然死するという謎の現象が頻繁に発生しています。そしてそれらの症状は全て同じポリプ達から発生したエフィラ…。これはもう、エフィラ云々の話ではなく、恐らくポリプ自体に問題があるためだと考えられます。そこで今回はこれらの症状・現象を整理するとともに、今後の課題について考えていきたいと思います。

成長低迷③

原因不明の食欲不振、突然死...何故?




●具体的な症状・現象


【発生したエフィラ達の元気が無い】

 本来、ポリプから遊離したエフィラは自力ですぐに泳ぎ始めます。その動きは大人のクラゲと全く違い、とても活発で力強いものです。この元気に泳ぐ姿を見て始めて、「いいクラゲができそうだ」と感じます。
 しかし、ここ数回発生させたエフィラは最初からあまり元気がありません。今まではエアレーションがなくとも泳ぎ回っていたのに…何故?ぱふぱふとした可愛らしい動き(パルセーション)もあまりせず、ビーカーの底に沈殿してしまう個体が多く見受けられました。元気な個体だけを回収するようにしても、結局原因解明には繋がりませんね。何とかしなければ。

成長低迷





【食欲低迷】

 本来ならば、生まれて間もないエフィラであっても小さなプランクトン(ブラインシュリンプやコペポーダ等)ならばちゃんと食べてくれます。しかし、最近発生したエフィラ達は生後1週間ほどしなければ食べてくれません。それも胃がパンパンになるほど食べるわけでなく、腹6分目?程度…一体何故。
 美しいクラゲに育て上げる過程の中で、この時期の成長具合は非常に重要なもの。この時期にしっかりと栄養をつけさせることで、形の整った元気なクラゲへと成長します。逆に言えば、この時期に不調だったクラゲは成長しても形が美しくありません。そして長生きもしてくれません。それほど重要な時期なのです。そのため...めちゃ心配。






【成長スピードが遅い】

 これは上記の「食欲不振」からも言えることかと思いますが…。成長スピードが著しく低下しました。クラゲは元々大食漢で、餌を食べれば食べるほど大きく成長します。そのスピードは異様なほど早く、逆に餌が足りなければすぐに体が小さくなっていってしまいます。
 もちろんこれはクラゲがまだ小さな時にも同様です。しかしここ最近の食欲不振からか…成長はほぼストップしてしまいました。「餌を食べないのだから成長が遅い」というのはわかります…ですがここ数日、理解し難い現象も起きているのです。それは、「食欲が回復してきたのに成長しない」というもの。
 原因は不明ですが、ここ2~3日でクラゲの食欲不振はやや改善されました。そのためか、動きもややアクティブに?しかし、大きさがあまり変わりません。この時期のエフィラは本来、毎日肉眼で認識出来るほどのスピードで成長をします。ですが今現在、胃がパンパンになるほどの餌を食べるようになったものの、大きさが全く変わらないのです。何故?!






【突然死】

 そして一番の問題がこの、「突然死」です。餌喰いが悪いながらもようやく少しずつ成長してきたエフィラ達。しかし、皆ある程度まで大きくなると突然丸まって全滅してしまいました。一体何故…?
 この「クラゲが丸まって死亡する」という現象は普段、水質の悪化に伴って見られます。アンモニアや亜硝酸、硝酸塩などが水槽内に蓄積されると、敏感なクラゲはたちまち反応し始めるのです。しかし、毎日最低でも一回は全換水をしているこの時期、それはあまり考えられません。水温が異様に高いという訳でも、水が濁っているという訳でもないため、水質自体の問題ではないような気がします。もちろん塩分濃度にも細心の注意を払っているため、これも考えにくい…。となるとやはり、エフィラ…いや、ポリプの時点で何か問題が??






●考えられる原因は?


【やはり長期飼育のポリプが原因か】

 「元気が無い」、「食欲が無い」、「成長しない」、「回復して食欲が戻ってもある日突然死亡する」。これらは全て元を辿れば、ポリプに行き着きます。元気な個体が突然死するのであれば、それは水質に何かしらの問題があると考えられます。しかし今回は、エフィラが生まれてきた時点で異常(元気が無い)が確認されました。これはもう、ポリプに原因があったと考えるのが妥当…ではないでしょうか?

 現在発生させているエフィラは、元を辿れば1枚のネットに着いているポリプ。そしてそのポリプは現在、飼育して1年が経とうとしています。ポリプは本来海で、1年間に1度しかエフィラを出しません(多くは水温の低下する冬に)。しかし、現在育てているポリプはこの1年間に少なくとも5~6回はエフィラを出しています。恐らくこれがポリプの疲労に繋がっているのでしょう。だとすれば、エフィラの発育不足はやはりこの長期飼育のポリプが原因…だと考えるのが妥当でしょうね。

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●今後の課題について


【定期的に新鮮な卵を確保!】

 今後の課題としてはやはり、「元気でたくましいポリプを定期的に確保する!」ということが最優先事項になります。そのためにも、年に一度は新鮮な卵を取りに海へ出向かなければなりませんね。
 今まではポリプを数枚のネットに活着させ、エフィラを確保したいと思ったらその都度1枚を引き抜いぬきエフィラを発生させていました。しかし今回は状況がやや変わり(色々実験したいことがあったため…)、1枚のポリプでのみエフィラを発生させ続けることに…その結果、このような現象に見舞われてしまったのでしょう。ですがこれも良い経験。今後はこのことを生かし、更に安定したクラゲの供給を目指したいと思います。

成長低迷②




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