ミズクラゲ編Part 1(その魅力と生活史)

 クラゲの代表格「ミズクラゲ」。今回はそんなミズクラゲの魅力、生活史についてご紹介します。飼育方法に関しては、
『自宅で簡単にクラゲが飼える!?
アクア初心者でも安心。クラゲの飼育方法徹底解説(ミズクラゲ編)』
をご覧下さい。



ミズクラゲ
鉢虫綱/旗口クラゲ目/ミズクラゲ科
学名:Aurelia aurita





ミズクラゲの魅力


【最大の魅力は癒し効果?若い女性にも大人気。「クラゲブーム」到来!?】

 夏場の海水浴場で一番心配なのは、やはりクラゲによる被害ではないでしょうか?種類によっては、呼吸困難を引き起こすほどの猛毒を持つものもいます。「クラゲ=危険な生物」と思われるのも無理はありません。しかしそんなクラゲ達が今、「ペット」として注目され始めているということをご存知ですか?クラゲの一体どこにそんな魅力が隠されているのでしょうか。その秘密は、彼らの「動き」にありました。



 水槽内をフワフワと漂う姿。見ているだけで癒されますね。この「癒し」こそ、彼らの最大の魅力と言えます。「ストレス社会」と言われる今、この「癒し」という項目がとても重要視されており、その中でも「クラゲの癒し効果(ヒーリング効果)」が注目されつつあります。今までは実際に海に出かけたり、水族館で見ることしかできなかった「クラゲ」でしたが、現在、家庭用クラゲ専用水槽なども発売され、その活躍の場は広がってきています。みなさんも一度ご検討されてみては?


●知られざる、ミズクラゲの生活史


【子供の頃はイソギンチャク?不思議な生活史について】

 クラゲと言えば夏場の生き物と思われがちですが、それ以外の季節にもクラゲは存在しています。正しく言うならば、私たちのよく知っている「クラゲ」の形としてではなく、彼らが子供の時の形としてです。実を言うと、一般的に「クラゲ」と呼ばれているあの姿は「彼らの一生の内、ごくわずかな期間中の姿でしかない」ということ、ご存知でしたか?そう、長い時間をかけて土中で成長したセミがわずか2週間しか地上で生きられないのと同じように、クラゲたちも一生のほとんどを子供の姿のまま過ごしているのです。


↑(イソギンチャクの様な姿の幼生期、ポリプ)

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↑(ストロビラと、そこから離れ泳ぎ始めるエフィラ)

 ミズクラゲが幼生期の姿は、イソギンチャクに酷似しています。名前を「ポリプ」と言い、このポリプは植物のように根を伸ばしながら増えていきます。やがて大きく成長したポリプは、水温の低下する秋・冬になるとその姿を徐々に変え、お皿がいくつも重なったような形状になります。この姿の時を「ストロビラ」(上写真)と呼び、ポリプに比べると色も茶色くなっています。その後先端から一枚ずつ剥がれ、海中へと泳ぎ出したものを「エフィラ」と言います。

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 まだ我々の知っているクラゲには程遠い姿。しかしその成長はとても早く、一週間もすれば下写真のようになります。透明になった体、少し丸みを帯びたフォルム。少しずつですが、あの「クラゲ」に近づいてますね。

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 ここまでくればあと少しです。初夏頃には随分と立派になった姿のミズクラゲが海中を漂い始めるはずです。

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【ミズクラゲにも雌雄がある?繰り返される「世代交代」とは】

 実は、ミズクラゲにも雌雄があります。そのため、成熟した個体は「有性生殖」によって卵を生み出します。しかし、幼生期には性別がありません。正確に言うと、「エフィラとして海中に泳ぎ出すまでは」ということです。先程ご紹介したように、ポリプは植物のように根を張りながら群体を作っていきますが、この時は「無性生殖」となるのです。このように、「無性生殖」と「有性生殖」を繰り返していくことを「世代交代」と言います。より確実に子孫を残すための知恵ですね。素晴らしいです。
 ちなみに、ミズクラゲの雌雄判別は目視でも行うことが出来ます。成熟したミズクラゲをひっくり返した時、中央にバラの花のようなヒダヒダ(保育嚢)があれば、それは雌になります。運が良ければ、保育嚢の周りに白い卵を付けている事もあります。是非一度探してみては?


(白い卵を抱えているメスのミズクラゲ)